巨人の台湾遠征を見届けた翌日。台湾旅行2日目は斗六棒球場で味全ドラゴンズ対SSGランダースの試合を見て、その後夜まで街を歩いてお土産や食事を済ませる計画だ。
地下鉄で台北駅に向かい、高鐵(新幹線)の月台(プラットフォーム)へ。
今回はまず高鐵台中駅まで新幹線に乗り、斗六までは自強号(特急列車)で向かう計画となっている。
新幹線は日本の東海道新幹線と同じ700系なので、普通に速い。速達便だったので、台北から台中まではノンストップで駆け抜ける。
台北駅を出るとすぐに、便當(弁当)の匂いが立ち込めた。朝食をとっているのだろうか、朝はコンビニのイートインで適当に済ませてしまったので、少しお腹が空いた。
ぼんやり車窓を眺めたり、列車の中を見回していると、「ただいまの速度 296キロ」というテロップが流れた。昔は日本でも速度の表示があったらしいが、もうなくなってしまった。もうみんな気にしなくなったのだろうか。
1時間もしないうちに、高鐵台中駅に到着。
ここで問題が発生。下の路線図を見たら分かるように、実は高鐵台中駅と在来線の台中駅は大きく離れており、高鐵台中駅に接続する新烏日駅には自強号は停まらない。
だが、この問題は旅行に行く前に既に対応済みで、新烏日駅から下りの區間車(各駅停車)で彰化駅に向かい、そこで後から来る自強号を捕まえるという、西村京太郎ばりの時刻表トリックを使うことで大丈夫だと言うことが分かっていた。
…まあ、大したことない乗り換えなのだが、異国の地なので少し不安だった。
高鐵台中駅から新烏日駅まではターミナルで繋がっており、行き先を案内する標識も多いので迷うことなく向かうことができた。
ペンギン?アヒル?みたいな可愛らしい車体の區間車で彰化駅へ。
鉄道マニアの、いわゆる「乗り鉄」の中には、この區間車で台湾を一周する人もいるらしい。いつか自分もやってみたいものだ。ただ、座席はプラスチックのベンチみたいな席だったので、ずっと座ってるとお尻が痛くなりそうだけど…。
新烏日から2駅下った彰化駅で無事予定の自強号に乗ることに成功。先程の區間車とは違い、無骨な感じの列車だ。
とりあえず指定された席に座る。しばらく乗っていると、車内販売が来た。何やら駅弁を売っているようだ。とりあえず注文してみるが、言葉が分からないのでお互い困惑している。呼び止めておいて言葉通じないなんて悪いことしたな、と思いながらも、なんとか排骨飯便當を購入することができた。
これは車内で食べる時間はないので、球場で食べよう。
そうこうしているうちに、斗六駅に到着。台北駅を出て、約2時間半かかった。
農業が盛んな土地で、特産品だろうマンゴーやスターフルーツのベンチがプラットフォームあった。なんかおもろい。
改札を出て、北口から棒球場へ向かう。
駅から真っ直ぐに進み、突き当たりの小学校を迂回してところに球場はある。
ここは現在味全ドラゴンズがキャンプを張っている球場で、昨年12月にはアジアウィンターリーグが、過去にはプレミア12等国際試合も行われており、野球マニアの中では有名な球場である。
まだ開場していなかったので、球場の外でさっき買った排骨飯駅弁を食べる。
鶏肉はペラペラだったが、美味い。豆腐や煮卵も味が染みてていい感じだった。
その後、開場を待つ人達の列に並ぶ。入場無料ということもあり、結構な人が並んでいた。実はここに来る新幹線や電車の中でもSSGランダースや味全ドラゴンズのユニフォームや帽子を身につけた人をちょくちょく見ており、台北や韓国からも見に来ている人がいるのかな?と思った。まあ、日本から見に行く物好きは俺以外見かけなかったが…。
12:30に開場し、試合を観戦。試合の詳細については、次の記事で書くことにする。
チアガールはいなかったが、その分ファンの熱い応援が響いていた。俺も味全ドラゴンズのユニフォームを買い、一塁側で見よう見まねで味全ドラゴンズを応援した。楽しかったので、また行く(決意)。
試合が終わり、時間は15時半。19時の列車に乗るので、3時間半余裕がある。
球場を後にし、まずは超市(スーパーマーケット)に向かう。台湾は右側通行で、斗六は道が狭いので横断歩道がないところも多く、道を渡るのはちょっと怖い。交通量が少ないのでまだ良かったが。
超市に到着。店の外にはコインを入れて乗る子ども用のアトラクションがあり、子供がダンボみたいな象に乗ってすごい勢いでボタンを連打していた。どうやらシューティングゲーム的なものらしい。
店の中は日本のスーパーと変わらない。台湾特有の品物はあったが、日本でお馴染みの商品も多く、少しがっかりした。
しかし、安いパイナップルケーキを仕入れることができたので良かった。とりあえず家族や友達向けに何本か買い、ついでにバラマキ用のチョコレート菓子も買って店を出た。
次は、ゲームセンターに寄った。
ゲーセンの中はほぼクレーンゲームで、日本みたいに音ゲーやレースゲーみたいなものは無かった。つまんねーなーと思いつつも、1ゲーム10台湾ドル(約45円)だったので、ついつい熱が入ってしまった。なんせ日本のクレーンゲームの半額以下である。ちょっと入れ込んでも大丈夫…と考えてしまうと後は泥沼。クレーンのアームが弱々だったこともあり、何も取れなかった。残念😢…。
疲れてしまったので、カフェみたいになっている大きなセブンイレブンに入る。タピオカミルクティーが飲んでみたかったので、レジの女性店員に「タピオカミルクティー?」と尋ねると、めちゃくちゃ爆笑され、バックヤードに引っ込んでいった。よく考えると、味全ドラゴンズのユニフォームを来て店内に入ったので、台湾の人だと思われたのかもしれない。そんな中で謎に「タピオカミルクティー?」と言われたら吹き出してしまうだろう。その後その女性店員は気弱そうな女性店員を連れて、「あんた日本語わかるでしょ対応してよw」的な感じで雑にバトンタッチしていった。仕方ないので翻訳アプリでタピオカミルクティーはあるかと尋ねたが、結局無かった。別にコーヒーでも飲めば良かったのだが、爆笑されたのがなんか嫌だったので何も買わずに店を出てしまった。ごめんね対応してくれた謝さん…。
駅に戻り、南側を探索。こちらは旧市街地であり、市場もあるので、斗六を観光する時は基本的にこっちが主である。
上の写真にあるように、狭い市場の中でも原付がスイスイ入ってくるので、結構怖い。少し大きな道に出ると、車もビュンビュン走ってるので横断もロクにできない。こういう時は現地の人と一緒に渡るのが鉄則だが、夕方だったせいがあまり人が出歩いておらず、なかなかに苦労した。
まずは友達用に雑貨を買う。女友達用と男友達用に一つずつ買いたいが、市場は服屋と飯屋、後はバッグ屋くらいしかない。上野のアメ横にいる気分だ。丁度いい雑貨屋さんがないかウロウロしていると、ようやくいい雰囲気の雑貨屋にであった。
店頭で商品を見ていると、店の親父さんが話しかけてきた。翻訳アプリで「何をお探しで?」と尋ねたので「お土産を探しています」と返した。すると、親父さんはメッシュなバッグをいくつか紹介してくれた。お互い拙い英語で、どうにかこうにかコミュニケーションを取っていたが、どうも噛み合わない。
少し商品を見ている間、味全ドラゴンズのユニフォームに気づいて野球の話もした。「味全は人気のある球団なんだよ」。味全ドラゴンズは1999年に一度八百長事件を受け解散。2019年に再び再結成された過去があり、昨季は台湾シリーズを制覇し優勝。当時を知る人にとってはとても嬉しいことだっただろう。
結局、そのメッシュのバッグはお年寄り向けのものらしいので買わなかったが、台湾の人の温かさを感じられた一幕であった。
いい感じのお土産が見つからなかったので、先にご飯を食べる。ここら辺の地域は肉圓(バーワン)が有名なので、それを食べる。
右が肉圓で、左が綜合湯。肉圓はプヨプヨの餡と肉が合わさって不思議な食感だったが、肉の旨みが感じられてとても美味しい。綜合湯も中に入っている大根、エビの団子が美味しくて、さらに身体も温めてくれる。この二つで115台湾ドル(約518円)はかなりお得だった。
お土産探しを再開。ふと大きな通りへ出ると、電器屋があった。ここは4階建てのビルになっていて、家電量販店のように電化製品だけでなくおもちゃや漫画、プラモデルなんかも売っている店だった。
俺はこの店で繁体字の週刊少年ジャンプとシャンチー(中国の将棋)のポケット版、後は繁体字のステッカーを買った。ジャンプは女友達に、シャンチーは男友達にあげることにしよう。女の子にジャンプをあげるのもどうかと思うが、結構なアニメオタクなのでまあ大丈夫だろう。中国のアイドル「時代少年団」のブロマイドとかあったが、彼女は3次元はあまり興味なさそうだし、いいか。
駅に戻る途中、クレーンゲームでもうひと勝負も結局チーソウのキーホルダーは取れず…。
帰りは鈍行で新烏日まで戻り、高鐵台中から台北に戻った。ホテルに着いたのは22時半。遊び倒したぜ。
そしてとても帰りたくなくなった。よく旅行に行くし帰る時間になると寂しさや仕事が始まるダルさはあるが、こんなに楽しい街を去るなんてという悲しさがこみあげてきたのは久しぶりだった。相変わらず金欠で、次いつ台湾に行けるか分からないが、できるだけ早く行きたい。そしてまた台北だけでない色々な街を見てみたいと思う一日だった。