2泊3日で鹿児島旅行に行ってきた。
鹿児島は俺の故郷なので、定期的に行きたくなるのだ。
今回の旅のテーマは「ノスタルジー」。とにかく懐かしい気持ちに浸る。
鹿児島空港→鹿児島中央駅→市電郡元駅と南へ下っていき、郡元駅前のイオンを散策。
郡元駅は県立鴨池運動公園の最寄り駅ということもあり、Jリーグの鹿児島ユナイテッドFC色に。
サッカー嫌い、Jリーグ嫌いな自分としてはこの変化を快く思わないのだが、時代の流れゆえ致し方なしと納得させる。
イオン(大昔はダイエーだったので、今でもダイエーと心の中で呼んでいる)の中はあまり変わっていない。円形の用途が広場や、屋上駐車場から2階に降りるユニークなスロープは、家族と買い物に来た時のことを思い出す。
ただ、この時点でお土産を物色しておかなかったことが後々に響いてくる。
少し早いがお昼にする。お昼ごはんは鹿児島ラーメンの「我流風」。
鹿児島ラーメンといえばのつき出しのお漬物である。
だいたい大根の漬け物で、九州特有の甘い醤油とよく合う。
ラーメンはそこそこ。豚骨の味が懐かしい。
一通りイオン(旧ダイエー)を楽しんだので、市電で水族館口まで行きフェリーで桜島へ。
天気も良く、12月にしては気温も高かったので、原付を借りて島を一周した。
借りた原付は古いレッツ4くん。大学時代もよく原付に乗って色々行ってたなあ、と思い出に浸りながら桜島の山道を進んでいく。学生時分は徒歩で桜島を一周させられ、早朝から夕方までかけてひいひい歩いていたが、文明の利器を使えば険しい登り坂もすいすい進む。
40分ほどで黒神中学校と陥没鳥居前に着いてしまった。
ここは桜島港から桜島を一周する際、ちょうど中間地点となる場所で、学生時代もこの中学校が中間チェックポイントとなっていた。
ひとまずここで小休止。久しぶりの原付だったので少し神経を使ったのと、やはり冬の原付は寒い。自販機でホットコーヒーを買って暖をとった。
それからまた原付にまたがり桜島を駆ける。スピードの出し過ぎや後続車両(特にダンプ)に気をつけながら、安全運転で有村溶岩展望台に到着。
運良く人がいなかったので、雄大な桜島を貸切で見ることができた。故郷の景色というのは気持ちを昂らせる。
しばらくの間心を震わせた後は、展望台下のお土産屋で適当に土産を買い、ついでに焼き芋も買った。
地元・薩摩の安納芋。うん、美味い。
そうして心穏やかな時を過ごしていたが、中国語のプリントが施された観光バスが1台停まり、中から観光客がどかどかと出てきたので、入れ違いに展望台を去った。
桜島の南側の道は整備された県道ではあるが、その分交通量が多い。今回はまだマシな方だったが、酷い時は大型ダンプがこれでもかとビュンビュン通っていくので、原付乗りに取ってはさぞ肝が冷える道中だっただろう。
なんだかんだのんびり桜島を一周したので、返却期限の2時間ぎりぎりで原付を店に返すことができた。とりあえず冷え切った身体を温めたい。
フェリーと市電で再び鴨池に戻り、ホテルにチェックインした後、思い出の銭湯・郡元温泉に向かった。
鹿児島には公衆浴場型の温泉が沢山あり、郡元温泉もその一つ。週末になるとここか産業道路の「いろはの湯」によく行っていた。
温泉の感想は…何も変わっていなかった、というのが本音である。
最初のうちは良かった。こじんまりとした番台、静かな脱衣所、小さな浴場に敷き詰められた岩風呂、ジェットバス…。何もかもが当時のままで感動を覚えた。
しかし、洗面所や浴場の汚れや温泉のぬるさに気づくと、一気に冷めた気持ちになった。東京の綺麗にリノベーションされた銭湯や広くて快適なスーパー銭湯を知った身としては、この温泉ではもう物足りなさしか感じなかった。それは自分が大人になった証であったが、寂しい気持ちになった。
気を取り直して、今度は天文館まで足を伸ばす。天文館口駅前が綺麗になったことに驚きつつ、大好きなお好み焼き屋「満月」に向かった。
まずは駆けつけ一杯。満月のお好み焼きは奄美発祥で、関西風でも広島風でもない。
昔は店員が作ってくれていたのだが、今はセルフでやらないといけないようだった。タブレットの動画に従い、しぶしぶお好み焼きを作る。
…ひっくり返すのに失敗して、楕円の満月になってしまった。
満月のお好み焼きの食べ方には2種類ある。1つはソースをかけて食べる普通の方法。もう1つは、独自のタレをつけて食べる方法。どちらも美味いので、上の写真のようにソースを半分だけにかけて、2つの食べ方両方を楽しむのがオーソドックスである。
タレは、出汁の旨みが濃縮されたような味で、ホカホカのお好み焼きの生地とよく合う。昔と変わらない味を堪能しながら、夜は更けていくのであった・・・。
(2日目に続く)