この日はどこに行くかで迷った。バスで加世田に行くか、新幹線と肥薩おれんじ鉄道で阿久根に行くか。
当日朝まで悩んだが、結局阿久根に行くことにした。
鹿児島中央駅で川内までの切符を買い、新幹線に乗り込む。鹿児島中央から新幹線に乗るのも大分久しぶりだ。東海道新幹線と違って全体的に新しくて綺麗な印象を持った。
「今日は、新幹線をご利用いただきまして、ありがとうございます…」
出発して新幹線のアナウンスを聞く、日本語、英語、韓国語、中国語…それぞれのアナウンスを聞き終わった直後に、「まもなく、川内、川内…」
そうだった。だいたいアナウンスが終わると川内駅に着くんだよな、ということも思い出しながら新幹線を降りた。
ホームには1両だけの電車が停まっていた。明るい色の車体が、ローカル線らしからぬ明るい雰囲気をまとっている。
少し曇っていたが、車窓からの景色は上々。海沿いを走る路が良かった。
綺麗になっていた。
駅内のカフェでサバフライカレーを食べる。
まあまあかな、鹿児島に来たんだし肉食べたいよなーと感じながら阿久根駅周辺をぶらつく。
橋から阿久根大島を見る。夏場には定期船も出ており、遊びに行くことができる。小さい頃に父と父の会社の人とキャンプへ行ったことを思い出す。
しかし阿久根自体にはそんなに思い入れもなかったなあと思い、そそくさと退却することに。
途中イワシビルという宿泊施設付きのカフェにより、名物のたい焼きを食べた。
これがまあ美味い。特に羽根になっている部分を塩クリームにつけて食べると、香ばしさの中にほのかな酸味を感じて幸せな気分になる。ボンタンのクラフトコーラも良かった。
とまあこんな感じでそそくさと鹿児島市に帰ってきたので、南鹿児島駅まで下って旧実家方面をぶらぶらすることにした。
変わっていくもの、変わらないもの様々だが、生まれ育った空気は何年経っても変わらない。五感で街を感じながら歩き通した。
この日の晩飯は、鴨池港近くの居酒屋『信玄』。
豚串が美味い。焼酎も美味い。昔はここでよく親父と話ししたな…と思いながら黒伊佐を飲み干した。
締めは大好物のたこわさ茶漬け。
ここに来た時は毎回これを食べて帰る。この味も変わらない。久しぶりに来れて本当に良かった。
鴨池港のターミナルでバスを待つ。今日は色々なところを歩いてへとへとだ。結局何がしたかったのか分からない一日だったが、故郷の街を楽しむことができたので良しとしようと思った。
(3日目へ続く)