先日、ジモティーでママチャリを4000円で買った。
真っ暗な河川敷の土手を空気抜けかけの重たいタイヤを引きずるようにして走り2時間かけて家に持って帰った苦労話もしたいが、今回は置いておく。
それで、折角ママチャリを買ったのでどこかにサイクリングに出かけよう、ということで、家からちょうどいい距離にある鎌ヶ谷スタジアムに行くことにした。
朝の10時頃出発。11月とは思えない陽気を感じながら街を走る。ボロくて錆びついているが、問題無く走行できている。車体中央に取り付けたスマホ入れのナビアプリのおかげで、迷うことなく鎌ヶ谷へと向かう。
だが、所詮はママチャリ。変速機も無いので上り坂には苦労した。特に千葉県に入ったあたりから丘陵地となり、きつめの上り坂が増えてきて、運動不足でなまりきった太ももが悲鳴をあげた。
そうしてえっちらおっちら坂を上り、11時半ごろようやく鎌ヶ谷スタジアムに到着。
日本ハムは新本拠地のエスコンフィールドと沖縄の国頭でキャンプを張っているため、ここには怪我で調整中の選手しかいない。
寮から球場までの外通路で、金髪の選手とすれ違った。誰かはその時は分からなかったが、右手に包帯をしていたので、最近右手の有鈎骨を骨折した矢澤選手だろう。
また、通路にはいわゆる出待ちの女性たちの姿もあった。というか、鎌ヶ谷にいたファンはほぼ女性で、男は俺と家族をつれたお父さんらしき人、そして暇つぶしに散歩しにきた感じのおじさんの3人しかいなかった。
女性のうち一人の老婆が通路を通った選手に紙袋を手渡していた。常連なのかは分からないが、老婆は至極満足そうな顔でヨロヨロと球場を後にした。
とりあえず鎌ヶ谷スタジアムに行くという目的を果たせたし、軽めのキャッチボールくらいしか見られなさそうだったので少し休んで家に帰る。
帰りにラーメン屋に寄った。特に有名な店というわけでもなく、ただお腹が空いていたところにたまたまラーメンの文字が目に入ったので飛び込んだのだ。
優しい豚骨醤油の味わいがよく、疲れた身体に染み渡った。店はいわゆるガテン系の人が多く、お昼休みにラーメンを食べにきたという感じでサッと食べてサッと帰っていく。
注文を待っている間に、部活帰りっぽい学生の3人組が店に来た。「セットで1000円は高くね？」「ラーメンと餃子とご飯で足りるかな？」「ラーメン大盛りにできるかな？」ーーー食べ盛りの学生らしい会話を聞いて、昔自分が学生だった頃を思い出し、懐かしい気分になった。
ラーメン屋を後にし、再び自転車に跨る。異常気象のさわやかな風を感じながら、家へと帰っていった。
