2年連続で那覇キャンプ訪問である。
成田から始発の飛行機に乗って約3時間半、モノレールで少しのところに巨人がキャンプを張っているセルラースタジアム那覇がある。
2月とは思えない程の強い日差しが照りつけていて、半袖に着替えた俺の腕を焼いた。これだけでも寒くて暗い東京から逃げ出してきた甲斐があった。
この日は新外国人投手のケース打撃が予定されていたが、到着した頃には既に終了しており、最後に高梨が登板しているところが見られた。
キャンプ名物の原タワーには徳光和夫氏と新外国人のブリンソンの姿が。
ケース打撃登板後、取材を受ける選手たち。
お昼時だったので、屋台でアグー豚丼を購入。さっぱりとした味付けで、日差しの強い沖縄の気候にマッチしていた。
ご飯を食べ終わる頃、フリー打撃の準備が始まった。一番手は新加入のベテラン松田。
声を出しながら元気よくバットを振っていた。
続く坂本は、安定したフォームでバットを振り抜いていた。昨季も衰えが見えていたが技術でカバーできていた。まだ終わってはいないはずだ。
中田翔もロングティーからフリー打撃へ。チャンスでの得点力は高いが左投手に差し込まれるシーンが目立った。今年もフォームは変わっていないが、内角への対応に注目したい。
丸。守備こそ衰えが見えるものの、打撃に関しては特に問題無いように見える。今季も打線の核として頑張ってほしい。
打撃練習が終わった選手は守備練習に回る。松田と坂本が三遊間を組んだ。
松田はともかく、坂本は明らかに球際に弱くなっていた。原監督からのコンバート打診を拒否して遊撃一本で勝負することになったが、聖域化しないか不安である。
今年の一軍キャンプには多くのルーキーや若手も参加している。推している秋広もサバイバルを勝ち抜いた1人だ。
今日はシート打撃で新外国人のロペスからヒット。結果がついて来ず苦しんでいるが、きっかけを掴んでほしい。
秋広はサードで特守も敢行。ヘロヘロになるまでノックの雨を浴びた。
早朝から夕方まで練習漬け。ユニフォームは泥だらけだ。
球場外のイベントスペースでは原監督が登壇。徳光氏とのトークショーを行った。
印象に残った原監督のコメントは下記の通り。
・先発ローテは戸郷、菅野、グリフィン、ビーディの4人は確定。後の2枠は沖縄にいる若手で競争。
・アーリーワーク導入により、前日の疲れを取るとともに当日の練習に備えることができている。
・ブリンソンの名前を覚えていなかった。(ルイスなので「ルー」と呼んでいるが、本名は覚えていなかったようだ)
・背ネームが無いので選手の名前が覚えられない。 ナイキ 無能
・外野手争いは丸のみ確定。後の2枠は競争。昨季活躍したウォーカーもスタメンの保証は無い。(これはファンからの質問に対する回答)
15時になり球場での練習が終了。帰りにサブグラウンドで川相コーチに遭遇し、サインを貰おうと思ったが、こちらがモタモタしている間に帰ってしまった。少し残念。
夜、ステーキ屋で今日のキャンプを振り返る。
野球評論家の里崎氏も言っていたが、松田だけが声を張り上げていた。キャンプとは思えない程雰囲気は暗く、重苦しさを感じた。
選手だけではない。首脳陣にもどことなく悲壮感が漂う。原監督は対外試合が始まる第5クールを前に「どんな形であれ結果という現実を受け止めなければならない」と報道陣にコメントしている。やはりオフの補強がうまくいかず、「今年は厳しい戦いになるな」という気持ちが球団全体に浸透してしまっているのだろう。
そうなると、いちファンとしても覚悟を決めなければならない。色とりどりのユニフォームを着たプロ野球ファン達が浮つく夜の国際通りで、俺はひとり決意を固めた。