「タフにゴリラが出た」―――
そのツイートが始まりだった。
あまりに唐突な展開に興味を持ち、夕飯の帰りに寄ったコンビニで週刊プレイボーイを買った。
袋綴じのグラドルには目もくらず、でも『キン肉マン』はちょっと読んで、『タフ』の項目に行き着いた。
本当にゴリラがいる!!!そしてゴリラが人間を粉砕してる!!!
なんのこっちゃよく分からないが、ゴリラにボコられているのはかつては最強格と謳われたキャラらしい。
タフのことは全然分からないので、この際タフの漫画をもっと読んでみよう。という訳で、池袋の駅前にあるスーパー銭湯・「かるまる」にやってきたのだった。
「かるまる」には4種類のサウナ、4種類の水風呂、5種類の風呂が用意されており、休憩室には1万冊の漫画があるという、まさに男の楽園である。
ひとまず日頃の疲れを癒すために身体を洗って湯船に浸かってサウナへ。すし詰めのサウナ室で空きを見つけ、タオルを敷いて座る。
暑い。温度が高めに設定されているのか、それともまだ日中だからか、いつもより茹であがるペースが早いように感じる。深く息を吸うと、ハッカの香りがした。さわやかな空気が鼻を抜け、少し暑さを和らげてくれる。
しかしそれにしても暑い。暑いというより熱い。いつもより早めにサウナを出て、またシャワーを浴びて水風呂に向かう。
空いている水風呂があったので、桶で水を浴びる。すごく冷たい!水温計を見ると8.9度。これがかるまる名物「サンダートルネード」で、「落雷にでもあったような衝撃」だという。
意を決してサンダートルネードに入る。まるで氷漬けにされた気分だ。全身が寒さに震えをあげ、30秒ともたず風呂から上がる。
火照った身体が一瞬で冷やされ、さっぱりした。屋上にある椅子に座ってぼんやりすると、暖かい日差しで心地よい気分になってきた。これが「ととのう」ということなのだろうか。
ぬるま湯で少し温まってから再度サウナへ。6分くらいで上がって、今度は普通の水風呂に入る。こちらは程よい温度だったが、若干物足りなかった。サンダートルネードと普通の水風呂の中間ぐらいがあったら良かったなあ。
最後はきっちり湯船に浸かり、身体を温めて風呂から上がった。
さあタフを見に行くぞ、と意気揚々に休憩室に向かい、『タフ』を2、3巻手に取った。しかし、リクライニングルームも寝台ルームも全て客で埋まっており、漫画を読めるスペースが無かった。
なんという事だ、これではタフが読めないではないか。
しばらく待ったが空きが出そうに無かったため、タフは断念。代わりにレストランでヤクマン(ヤクルト+タフマン)を飲みつつスマホでオリジナル球団の構想を練った。
気づけば夕方になっていた。フロントに戻り精算をする。料金はレストランのヤクマン500円を含めて4000円強。ちょっと高いが、ゴールデンウィークということもあるので仕方がない。支払いを済ませて「かるまる」を出た。
また巨人がボロ負けしていて悲しかったが、やりたい事は粗方やれた。今日も60点の休日を過ごしたのだった。